お見舞い

 

ある朝、ルキアが 浮竹隊長の常用薬をもらいに四番隊に行くと、
恋次付きの六番隊・隊士の理吉を発見する。

「理吉殿。 おはようございます。
 珍しいところで会いますね。」

と、思わず、四番隊という場所柄、そう尋ねてみると、

「うぶっぉっ!! 
 お、お、おはようございます、ルキア様。」 

奇声を上げて驚いた後、落ち着きなく目をきょろきょろさせて、私の周りの
何かを探す。

彼は いつもそうだ。 
私に会うとまるで私がなにかに憑かれているかのように私ではなく、まず周りの
何かを捜し、その後 やっと私と落ち着いて話ができるようになる。

ーーーこういう癖の隊士なのだろうか・・・・。
   恋次か兄様に一度聞いてみようと思っているのだが、いつも忘れてしまう。

「理吉殿が 居るということは・・・・
 まさか、恋次がまた怪我でもしたのか?」
「いえ、あの・・・・その、 恋次さんは、怪我ではなくて、
 その、風邪をひいたらしくて、
 今日は熱があるので休むと連絡があったもんですから・・・・・
 きっと一人暮らしの恋次さんは家に薬なんておいてないだろうと思い、
 薬を貰いに来たんです。」
「・・・・ふ・・ぅむ。 
 おかしな事を申す。
 あの恋次が、馬鹿の癖に風邪をひいたというのか。 
 あやつ、器用だとは思っていたが、そこまで器用な男だったとは。」

ルキア様は こと、恋次さんに関して、その綺麗な顔を裏切るような毒を吐く。
オレは とても返答に困るんスけど・・・・。

「そうだ・・・、理吉殿も恋次が休んでいては、仕事が忙しいのではないか?  
 良ければ、私が恋次に薬を届けるが・・・・・。」

そう言って大きな瞳を輝かせて うきうきとした可愛らしい顔を向けるルキア様の
申し出を断る事の出来る男は 居ないッス!!

「では、お言葉に甘えて、お願いいたします。」

そう言って、今貰ったばかりの薬をルキア様に手渡した。

「うむ。
 ついでだからな。」

ーーーえぇ?! なんのついででしょう・・・・・。

オレはルキア様の言葉が可笑しくて笑顔を向けると、極上の笑顔を返されてしまった。
ルキア様は 呆然と赤い顔をしているオレを残して走り去ってしまった・・・・。 

ーーーあ〜〜ぁ 狡いよなぁ・・・・。
   あんな笑顔を向けてくるんだもんなぁ・・・・。



台所では ごとごとと なんか音がしていた。 
え〜〜と。
今日は掃除のオバちゃんの来ない日だったよなぁ・・・!? 
熱に浮かされてる俺の頭は 上手く回っていない。 
今朝、重くけだるい身体を無理に動かして起きようとしたが、ぐらりと部屋の
風景が回り、立つ事もままならなかった。 
俺は さすがに仕事に行くのを諦めて、枕元に置かれた伝霊神機を手を伸ばす。

「・・・・・理吉か?
 悪りーんだけど、今日 熱があるから休むわ。 
 あぁ、隊長によろしく言っといてくれ。
 後の事は頼む。」

掠れた酷い声でやっとそれだけ告げた。

ーー こんなに体調を崩すなんて、本当に久しぶりだ。
   情けねえな。
   気が緩んでたんだろうか・・・・・。



ん・・・・・額にひんやりとした物が当てられた。
気持ちいい・・・・・・・・
って、なんだぁ!?

慌てて、目を開けて、手で確認する。
目の前には ルキアの顔。 
額には その小さな手があった。

「・・・おぉ、恋次?! 
 起したか? 
 ーーーむぅ・・・なんだ!? 
 その驚いた顔は!!??」 
「・・・・いや、 だって
 ルキアがいるから・・・・・。」 
「先ほど四番隊で理吉殿に遇って、風邪だと聞いたので見舞いに
 来てやったのだ。
 それにしても酷い声と高い熱だな。」
「そうかぁ・・・・?!
 そんなに大した事はねえと・・・。
 茶でも淹れるか?」

そう言って、身体を起そうとしたら、額に置かれた手で叩かれた。
いてぇ・・・・・・・、やっぱりルキアだ。

「馬鹿者!! 
 私は見舞いに来たのだ。 
 遊びに来たのではない。」
「そっか・・・・、ありがとうな。 
 お前の手、冷たくて気持ちい・・・・」

熱で弱っている恋次は 覇気も手応えもなくて素直でらしくなさ過ぎだ。
恋次の熱で温まってしまった右手を左手に変えて、

「もう少し寝ろ。
 起きたら、粥と薬を用意しておいてやるから。」

そう言って、手で瞼を撫で 目を閉じるように促した。

「・・・・・あぁ。 
 すまねぇな。」

そう言い残して、素直に眠りについた恋次の呼吸は 熱の所為かとても
苦しそうだ・・・・。



ーーーそれにしても 予想以上に熱が高かったな。
 考えてみれば、あの恋次が仕事を休むくらいなんだから、よっぽどのこと
 だったのだ。
 来れて良かった。
 今まで散々世話になったのだから、こんな時くらい世話してやらねば。

台所を漁ってみると、鍋釜と調味料はそれなりに揃っているが、
食料は米と酒しかなかった。

ーー コヤツ普段は 何を食べて暮らしているのだろう。  

私は昆布と卵と果物を買いに出た。


買い物から帰るとすぐに米を洗って、酒で下ごしらえした昆布とともに
土鍋に火にかけて、粥の準備をする。  
夏に兄様に作って差し上げたのをまだ覚えているから、これは大丈夫。 

ーー あ、でも卵はいつ入れるのか・・・・・、そうだ!
   朽木家の調理長に伝令神機で聞いてみよう。

気を利かせて、氷を買ってきたのだが、恋次の家に氷水を入れる袋(氷嚢)など
ある訳が無かった。
仕方なく、桶に水と共に入れ、手拭い二枚を交互に額に乗せる事にした。

買ってきた苺をガラス器に入れ、氷水の入った容器に入れて冷やす。 
土鍋からコトコトと音がしてきたので、しばらくそのままにしてから 
味付けをして溶き卵を落として、鍋蓋をして火を止める、完成だ!


手持ち無沙汰で部屋をゆっくり見回す・・・・・・
意外に恋次は 部屋を綺麗にしていた。

しかし、恋次はよく寝ている。  
ガラス器の苺を三個ほど摘まんでみる。
とても冷たくて美味しvvvvv

恋次の額の手拭いの交換をする。
冷たい手拭いを乗せた瞬間、眉間にとても深い皺がよって いつも以上の
極悪面になる。 
それが時間と共に浅くなってとても穏やかな幸せそうな顔になっていくの
だから面白い。
慣れというのは怖いものだ、そんな顔さえ可愛いなどと思ってしまった・・・。

いつも結われている長い髪が 布団の上にばらばらと緋く広がっている。
一房、手に取ってみる。  
無駄にデカイ恋次がいつも高い位置に結わく所為、なかなか私には 
触れることが出来ない髪。  
とても綺麗な大好きな色の髪。

大きな手。  長い指。  
ごつごつしていて、鍛練を欠かさないので剣胼胝だらけで 乱暴に私の頭を
撫で付ける手。
当然のことだが、今日は とても熱い・・・・。

気のせいかもしれないが呼吸から荒さがとれて、穏やかな寝息になった気がする。
その規則正しい寝息を間近で聞くために 胸に耳をあててみた −−−




ん・・・・・?! 
俺が目覚めた時、俺の胸を枕にして、俺の右手を両手で胸元にしっかりと抱えて
猫のように丸くなってルキアが寝ていた。

・・・・?? 
えーーーっと。 
そう言えば・・・・・・。
なんか、見舞いに来たって言ってた夢現(ゆめうつつ)での記憶がある
っちゃぁあるかも。
俺は しばらく考えた・・・・・。
起すべきなのか、このまま寝かせておくべきか。
こんな可愛い様子で寝ているのを起せるわけが無い。 
却下だ!
だが、丸くなって寝ている姿は とても寒そうだ・・・・・・。  
風邪をひいてしまうかもしれない。

ルキアが俺の右手を抱え込んでいたので そのままひょいと持ち上げて 布団の中に、
胸の中にしっかりと抱き込む。  

ひんやりと冷え切った死覇装と小さな柔らかい身体が気持ちいい。  
入れて正解!
俺は髪に口付けて、微かに甘い香りのするルキアにその存在を再確認しながら、
再び眠りに落ちた・・・・。




珍しく休んだ恋次の見舞いに檜佐木修平と吉良イズルが 偶然揃って辿りつき、
いつも通り主の返事など待たずに鍵のかけられた事のない玄関から部屋に入って
二人とも驚いた。
  
朽木の嬢ちゃん/ルキアさんをしっかり腕に抱きこんで幸せそうな顔で恋次が寝ていた。

この嬢ちゃんも見舞いに来ていたらしい・・・・。 
卓袱台に氷の入った桶や冷やされている苺、お粥の鍋と薬が置いてあった。

「・・・・・あ〜ぁ、恋次のヤツ。
 見舞いに来た嬢ちゃんを食っちゃったのか・・・・?」
「///////な、先輩!? 
 何言ってるんですか? 
 先輩じゃあるまいし・・・・・・。
 ルキアさんが来ているなら、邪魔しないで帰りま
 って、先輩!!
 何やってるんですか!!?」

檜佐木がそっと二人の寝ている布団をめくって、着衣のまま寝ているのを確認して、
軽く舌打ちしていた。

「ちぇっ! まだ食ってないのかぁ・・・・? 
 女の見舞い客は自分に気があるんだから 美味しく頂かなきゃ、相手に失礼だぜ。」
「//////  そんな考え方するの先輩だけですよ!」
「そうかよ!! 
 ま、どっちにしたって、どうなっても俺ゃ 知らねー・・・・。 
 相手が悪いや。
 朽木・浮竹両隊長がそりゃぁ大事にしてる秘蔵っ子の嬢ちゃんじゃぁな・・・。」
「・・・・・でも、ルキアさんは 阿散井君の幼馴染だから・・・」
「ばーか、イズル。 
 こんな状況に幼馴染ってのは 関係ねーだろ。  
 俺があの隊長らで、大事な娘のこんなところ見たら、絶対相手の男を
 ギッタギッタのミンチにするね!」

そう言って、檜佐木先輩は 緩い顔で少し遠い目をする。 

ーーーこの先輩、たまにこんな時がある。  
   きっと乱菊さんと夫婦になって、娘のいる自分を勝手に
   夢見てるんだと思う。

「あの二人の隊長が こんなところにわざわざ来たりしないし、ルキアさんってば、
 娘じゃないからそんなことには なりませんよ。」
「イズル!! 
 お前っていちいち細けえことに煩せえな。」

ーーー先輩が大雑把に妄想しすぎなんです。

「ーーー!! 
 オイ、イズル! なんかデカイ霊圧がこっちに向かってねぇか?」

途端に、イズルの神経質そうな顔が青ざめる・・・・・。

「ーーー朽木・・隊長の霊圧です・・・・・。 
 先輩が 変な噂なんかするからですよ!!」
「って、てめえ、俺の所為かよ!! 
 違うだろ!!
 それよかどうするよ!?」
「??
 ど、どうするって、どうするんですか?」
「だから!
 こいつらだよ! 
 この状況は本気でヤバイって!!」

そうイズルに言いながら、慌てて俺は寝惚けながらも生意気に抵抗する恋次から、
無理矢理嬢ちゃんを引き剥がすと尚も食い下がってくる恋次に代わりのものを
蹴り入れて、とにかくその場から瞬歩で放れた!!


しっかし、具合が悪くて寝ていた恋次はともかく、あれだけ枕元で俺らが煩く話して
さらに無理矢理 引っ張り出されて尚、寝ているこの嬢ちゃんは どういう事だ??!
だいたい、俺が 知ってる朽木の嬢ちゃんは いかにも気位の高い高級な猫みたいに
警戒心バリバリでいつも一線を引いているような子だ。
こんな無防備な嬢ちゃんを俺は知らない。

俺が抱き上げた時、寝惚けて何か言うと、恋次の腕を抱きかかえていたように 
するりと俺の首にその細い腕を回してきた。

ーー やべえ!!
   柔らかな髪と滑らかな腕が その吐息が 首筋に触れ
   疾走する俺をザワつかせる。
   このままお持ち帰りしてえ!!
   いやいや、俺は 十三番隊にいた同期からこの嬢ちゃんの話を思い出す。

   「十三番隊・隊舎敷地内の木陰や木の上で あの朽木の『姫』、
   あ、これは俺等の中での渾名ね、
   そりゃぁ可愛くらしくうたた寝してるんだvvvv
   だが、女の隊士が 起したり、風邪ひくだろうって、浮竹隊長の元に
   運ぶならいいが、少しでも邪心を持ってるような男の隊士が近づくと、
   必ず姫は目を覚まして怪訝な顔をするんだぜ。 

   そうなると何処からともなく、そいつと姫の間に朽木家の御庭番が
   殺気丸出しで現れるんだって・・・。
   でさ、その後も大変なんだって。
   十三番隊内の姫のファンが ま、俺もそうなんだけどさ。
   稽古だって言って道場に、そいつを連行してよってたかってシゴクんだ。
   凄いぜぇ・・・。

   だから、基本、男ドモは 遠巻きにして お互いに牽制しつつ、
   変なのが近づかないように見張ってるんだ。

ーーーうおっぉおお・・・!!
   落ち着け、俺!! 
   俺が好きなのは 乱菊さんだから!!
   嬢ちゃん、絶対起きるなよ!!

俺の一瞬の疚しい気持ちを察したのだろうか・・・・。
あのデカイ霊圧は 速度を上げ、間違いなくこの俺に向かって来ている。

ーーーおいおい、御庭番を相手に勝つ自信はあっても、あの隊長は 無理だから!  
   あの隊長の相手なんかしたら、俺はミンチ必須だって!!


俺は死ぬ気で走って、十三番隊の隊士にも見つからないように浮竹さんのいる
雨乾堂に逃げ込んだ。  
突然の訪問に驚いて布団から起き上がり、座りなおした浮竹さんに嬢ちゃんを渡すと、 

「すいません、突然。 
 後で必ず事情を話しますから、とりあえず受け取ってください。」
「うんvvvv 分かった。 
 ホントよく寝ちゃってるねぇ。  
 ありがとう・・・・・・て。
 ・・・・・あれ? 
 檜佐木君。
 お茶でも・・・・・って  
 ・・・早いなぁ・・・。」

「・・・あれぇ、白哉じゃないか・・・、どうしたんだい? 
 今日は 千客万来だねvvvvvvv」
「ルキアは如何した?」
「・・・・・ん。 
 多分、ここのところ鍛練に励んでいたから、疲れが溜まっていたの
 じゃないかな。
 よく寝ているよ。
 起すのが可哀想なくらいにね。
 またどこかで電池が切れたように寝てたんじゃないかな。
 今、檜佐木君が届けてくれたんだよ。」
「そうか・・・・、
 ルキアが 卵粥の作り方を聞いてきたと報告を受けたのだが・・・・・。」

浮竹の膝の上で丸くなっていたルキアがゆっくりと起き上がり、ぼうっとした
寝惚け顔で見回す。

「・・・・・ん・・・・・。 
 あれ、浮竹隊長、 兄様。 
 おはようございます。」

まだ、起ききらないのだろう、
瞼を擦りながら それでも挨拶だけはしてくる朽木。

「大丈夫かい?
 まだ眠かったら、寝ていても良いぞ、朽木。
 最近、鍛練頑張っていたからねvvv」
「ありがとうございます、大丈夫です。
 ーーー申し訳ありませんでした。」

そう言って、ゆっくりと浮竹の膝から降り、横に立った。

「では、兄様、浮竹隊長。
 失礼いたします。」
「あ、朽木。
 悪いがこれから、卵粥を作ってくれないかな? 
 二人分。
 白哉も食べるだろ?」
「・・・・・うむ。」
「わかりましたvvvv」

極上の笑顔を二人に残し、秘蔵っ子と評された朽木ルキアは 
軽い足取りで去っていく。
通常警戒心の強いこの少女は 普段気を張っている所為や意地っ張りな
性格もあって、
仕事や生活の中でギリギリまで頑張ってしまうところがあった。
そのため、食後やちょっとした休憩時に そこでまるで電池が切れた
玩具のようにうたた寝してしまう事があった。 
だが、この甘い保護者二人は 普段この少女の頑張りを知っているため、
それについて注意する事もできないでいた。

そのため、どこかで寝てしまっては その場で起されるか、目覚めた時、
浮竹隊長の手の内という事が 今までにもよくあったので この三人の間では
かなり慣れた光景になっていた。

彼女が 健康で笑顔でいるなら・・・・ 
それだけが この二人の隊長にとって大事な事であって 他のことは 
ごく些細な事と、普通の人とは 違う 計り知れないほどの度量の大きさで
見守っている事など ごく普通の感覚のーーある種邪念の多い檜佐木修平に
わかる訳がなかった・・・・。
ましてや白哉が ルキアを追いかけていた理由が 卵粥だったという事も。



その頃、恋次の見舞いに 一角、弓親、乱菊が酒壜片手に来て、寝ている
恋次の布団の中の光景を見て顔を見合わせた。

布団の中には 熱の所為なのか、イズルをしっかり腕に抱きかかえている
所為なのか 嬉しそうに頬を赤く染めて眠る恋次がいた。

「・・・んねっ、こいつらってさ、そういう関係だったってわけ・・・・?」
「・・・・いや、俺は 知らねえ・・・・。」

恋次に負けないほど、頭の先まで赤くした一角。

「ん。
 美しいかどうかは 別にしていい感じで寝てるよね。 
 粥や苺まで用意して、甲斐甲斐しく 世話しちゃってさ。」

って、自慢の髪をかきあげながら弓親が言った。

「松本、俺らは なぁんか気ぃ失せたから、酒盛りは止めて帰るわ。」
「・・・ん。 そうねぇ〜。
 ネタとしては面白いけど、酒の肴には美味しくないわねvvvvv。 
 場所を変えて飲も、飲もvvvv」




「どぅわぁあーーーっ、なんじゃこりゃあ!!?? 
 ルキア、ルキアは?!!」

目が覚めた時、イズルをしっかり抱き込んでいた事に驚いた恋次の声が
響いた。
檜佐木修平に蹴り込まれて、気を失っていたイズルを思いっきり蹴り
飛ばしていた!!


「!!! いったぁ〜!
 酷いよ、阿散井君!」
「何言ってやがる!? 
 ってか、てめえ、何で俺の布団で寝てやがる?!  
 気持ち悪いっつーの!!」
「気持ち悪いって、酷いなぁ・・・・
 えっと、だからーーー」

そうして イズルは こうなった事の顛末を話した。



翌日、仕事に復帰した恋次は 自分が仕事を休んで吉良イズルと 
同衾していたと そこかしこで噂になっているのを知って、頭を抱えた。

ーーールキアに噂を否定しに行くべきか、噂話に疎いルキアにわざわざ
   言い訳に行っても藪蛇にしかならないのでこのまま
   この噂に知らん顔を決め込むかーーー真剣に悩んでいた。


そして 絶対に部屋をもう一部屋借りて、ルキアだけに教えようと決心していた。


ただでさえ、少ないルキアとの時間を 遠慮の無い訪問者達に邪魔されないように。  
(たぶん、皆心配してくれてのことなので有り難くはあるけれど・・・・。)

出来れば、もう一歩関係を進めたいと・・・・。





  自分が具合悪い時に 甘甘な二人の話ってちょっと少なくねって、 これを書き始めたのですが、 あぁぁ・・・、恋次の周りっていっつも人が いる設定じゃん (自分が勝手にそう設定した)って思い出し、結局 糖度が  皆無になりました。  (だから「理吉」は 夜中の密会にしたのだった・・・・。) 次こそ・・・・!  頑張れ、 恋次!! 檜佐木修平、いつもごめんなさい。  ここまでのお付き合いありがとうございました。   Mar.28/2008 TOP