日番谷 冬獅郎  



破面どもが去った翌日、日番谷 冬獅郎が 現世の空座高校の屋上で伝令神機で報告書を
書いていると、珍しく阿散井も黒埼も連れずに一人で朽木ルキアが ふらりと現れた。

授業をしている時間帯だから、屋上には 誰もいないと思い込んでいるのか、俺に気付きも
しないでフェンスに凭れて 辛そうな・・・今にも泣きそうな顔で外を見ていた・・・・。

その表情に・・・・思わず、俺は 瞬歩で近づき、あっという間も無く 胸に捕らえて
抱き締めた。

突然の事にアイツは その折れそうに細い身体を捩って逃げようとしたが、

「お前も日番谷先遣隊の一人だろ。 何か抱えてんなら、俺に言えよ。」

そう言って、俺は 逃さず、さらに強く抱き留めた。


すると朽木は俺の腕から逃げるのを諦めたのか 少し身体の力を抜いて、俺を拒む様に
突っ張らせていた両手を俺の右肩に添えると その上に自分の頭を乗せてきた。
ふわりと朽木から甘い香りがする。

「・・・・・・・日番谷隊長・・・、 別になんでもないんです。 
  ・・・ただ、破面相手に大怪我を負ってしまった自分が不甲斐無くて・・・・。」
「そうか・・・?  俺は お前もよくやったと思うぜ。」

そう言って俺は 朽木の艶やかで柔らかな髪を撫でてやる。
安心したのか、まだ少し強張っていた朽木の身体の力が抜けて、全体を預けるように俺に
凭れかかってきた・・・・・・。
同じ氷雪系の魂魄ってのもあるが、俺に預けられたその細い身体が しなやかに俺の体に
馴染じむ様に密着して、思っていた以上に柔らかい その抱き心地の良さに驚いた。

ーーーーーー思っていた以上に・・・・。  
   俺は ずっとコイツに触れたいと思っていた・・・・・。
白い相貌に気の強そうな瞳、艶やかで柔らかそうな猫毛の髪。 
何より時折見せる憂いを帯びたその表情が 抱き締めたい気にさせられる。
だが、コイツは 気位の高い猫のように触れるものを赦さないようなところがあって、
隙が 無かった。

ーーー悪りぃな、阿散井、黒崎。 
   俺は こんな好機を逃す程、大人じゃねぇ・・・・。

更にその柔らかな髪を優しく撫で付けて、甘やかな香りと共にその心地良さを 堪能する。


あ、くそ!! 
その霊圧に朽木が 気付き 俺の腕を擦り抜けて行った・・・・・・。
愛らしい笑顔と感謝の言葉を俺に残して・・・。


「たーいちょvvv。 な〜に ちょっかいかけてたんですかぁ・・・?」
「煩せえよ。 松本。」
「いいんですかぁ? そんな事言ってぇ〜〜。 朽木隊長に言いつけますよぉ。」
「−−−うっ、////////  構わねえよ!!!」
「ちぇっ・・・。」




校庭に現れた緋髪の義骸を纏った死神に 朽木が走り寄って何かを 話していた・・・・・・・。 
小さな頭がヤツのデカイ手でくしゃくしゃに撫で付けられ、抗議しているらしい姿が
屋上から見えた。

「ちぇっ・・・・・。」

またな、朽木。






私の中では 乱菊姉さんに日々「女の扱い方」を鍛えられているので 彼は「天然の女ったらし(自覚無し)」に設定されてます。 日番谷ファンの方、違う見解の方には、深く陳謝いたします。 ーー拍手のお礼になってなくね!? すいませんーー Feb.10/2008-Mar.29/2008 『やる気の元』だった お話です。  ありがとうございました! 下に この話の画をおいてみました。   いらすと『日番谷 冬獅郎2』です。  10cm の身長差が 早く無くなると良いですねvvvv TOP