月 



十三番隊の隊舎より今日の業務を終えての帰り道、
いつもより遅くなってしまったはずなのに
歩く道が明るく 建物の影が濃いのに気付いてふと空を見上げれば
東の空に大きな綺麗な円を描いて紅い月があった

その月の色や寄り添うような暖かい光から、ふと彼奴を思い出す

この月のようにいつも私の後に寄り添い
私を護るようについていてくれた
あの緋い髪の大きな男


言葉はいつも乱暴で時に私に喧嘩を売るような言葉を言うくせに
私が喜びそうな言葉は 一言も言ってはくれなかった

けれど


いつも私を気遣い、心配してくれていたその瞳
私は素直になれずに 恋次につっかかってしまう事もあるのに 
変わらず見守っていてくれた

恋次が傍に居てくれた時は、暖かさと安心感に私はいつも包まれていた

それは失ってみて痛いほど気付かされた事


今は もう この月のようにその距離は あまりに遠い
私から手を放してしまった
あの時はそうしないといけなかったから
あの時の私には 他に選択の余地はなかった


この月のように今でも寄り添うように遠くで私を見守ってくれている

そう切望してしまう愚かで自分勝手な私を赦してください
この寂しい心を保つために 
ただ、心の支えとして 思うだけだから赦してください
今は もう遠い思い出に 涙する事くらいは赦してください

明日からは強くなるから
今度は自分が護れるように強くなってみせるから










    昨日、本当に綺麗な満月だったんです。  冬の月って空気の透明度が高いみたい(?)でとっても綺麗です。 正直、夕暮れ真近の紅い月ってちょっと不気味で好きじゃなかったんだけど、 きっと尸魂界に街灯なんかないだろうと本当に真っ暗闇なんだろうと 想像(妄想?)したら、こんなルキアの思いが 勝手に・・・・。  普段の生活の中に街灯やビルやコンビになど光源が 有り過ぎて想像もつかないけれど、 本当に闇の中にいたら、大きな紅い月は  とても明るく頼もしく感じられるのではないかしら・・・。    1/24/2007