プライド 


戌吊の仲間の墓の前でルキアが言った。

「恋次、死神になろう・・・・・」


『死神』に なってからの俺は 朽木隊長の背中を見て奔って来た。
あの人を超えて、いつかこの手にルキアを取り戻したいと思っていた。


虚との戦いの中で、同じ『死神』のルキアの事は ずっと心配だった。
だが、流石に養女とはいえ 名門朽木家の娘を最前線の危険な任務に
就かされるようなことは少ないようだった。

実際、俺の見た限りでも内勤が多く、実戦で危険が伴うような任務には 
13番隊の隊長や副隊長、席官達の誰かと一緒に就いているようだった。 

他隊の俺にさえ分かるような事が 本人と回りの人間が気付かぬはずもなく、
陰口の対象になっている事よりもいくら鍛練しても信頼されない実力に
ルキア本人の自尊心は 打ち砕かれていた。

だから、俺は ルキアが実戦に出るようになってから 共にその場に居た
としても 梅針戦の時も、バウント戦の時も龍堂寺厳龍によって尸魂界と
現世がぶつかりそうな時も ケガをさせない様に庇うことはしても、
戦いに手を出す事はしなかった。
ルキアの自尊心を守るために・・・・。


虚面戦で ルキアが 戦士として、別々の道を行こうと言った時も、
俺はルキアの意思を尊重した。 
戦士への侮辱は許さぬと・・・・。

別々の道を行けば、危険が増すと分かっていても・・・・・、
それがルキアの戦士としての 『死神』としての自尊心尊重して
やりたかった。

ずたぼろの自尊心を抱えて、生き永らえるなんて、俺だって堪えられない。
そんな傷心の状態のルキアを見ることも きっと堪えられないだろう。

生きていてくれさえすればいいなんて、それは 相手の気持ちを
無視した自分勝手な思いだ。
どうせ俺たちは 既に一度死んだ存在だ。 
覚悟は 出来ている・・・・。


「自分より先に死なぬ事、自分が死んだ後も生き永らえる事。」

ルキアは 虚面戦を前に 俺に 無理矢理こんな誓いをたてさせた。


バーカ!! こんな勝手な誓い誰が 護るかよ。
(約束とは別物だからな!)

共に在る時は ぜってえ俺より先に死なせねえ・・・。
だが、もし万が一にも 先にお前が死んでしまったなら・・・・、
なんて 煩せえよ!!! 
おめぇが 死んでからの誓いなんて無効だ!!  
お前が居なくなった後、俺がどうするかなんて俺の勝手だ!!


ただ、今は 俺たちは 同じ道を生きていく!! 
ルキアが望むままに・・・。 





  アニメ編では 恋次ったら、結構ルキアの事庇ってるんですよね・・・・。 梅針戦(Bleach OVA The sealed sword frenzy【正しい和名が分かりません。】) の時は 一護を庇ったルキアを更に恋次が盾になって剣を無数に受けちゃうし、 バウント戦でも戦闘中に壁に叩きつけられるルキアを庇って 自分が壁とルキアの間に入ってクッションになってあげたりしていました。 (Memories of Nobody)の時、兄様は 時間が無いからと、ルキアを無視して 厳龍の部下を倒しちゃったけど、恋次は 尸魂界と現世が ぶつかりそうな時、 暴風の中しっかりルキアを支えてましたね〜〜。  むふふふ・・・・。 むっしゃ〜、むっしゃ〜、幸せ〜〜  (意味不明:脳内に妙なアドレナリン放出中〜〜〜) Jan.01/2008