双極の丘 ーールキア視点ーー
卍解のまま藍染に斬りかかった一護が 腹を真一文字に裂かれた
目の前で恋次も 袈裟懸けに血飛沫をあげて斬られた
とても大事な二人
私などのために、ボロボロになりながらも助けに来てくれたのに
私のことなど 藍染に引き渡してしまえば、良かったのだ
いや、私が自らさっさと 藍染の元に行けば、良かったのだ
そのために 私の命より大事な二人が 死にかけている
そんな事態に私は混乱し、最早何も考えられず
絶望の淵にいた
大事な二人の命が 失われようとしている今
私には 崩玉も藍染も自分の命も全て関係無い
「射殺せ、 神槍!!」
私は 今度こそ死ぬのだ
やっと死ねるのだ
悔恨や懺悔、自責からの苦しみから解放される
呆然とする頭は ただ「死」を 願った
・・・・・・なのに。
気が付けば、兄様の暖かい腕の中にいた
ーーー混乱する どうして どうしてーーーー
兄様には いろいろ良くして頂いたのに
何一つ ご期待に添うことすら
いや、期待などおこがましい
むしろ失望させる事しかできなかった
挙句・・・
朽木の名を汚すような大罪を犯した私
「極刑が 相応しい」 この私
きっと 兄様だってそう思っていらっしゃったはず
なのに なぜ・・・・・・
ずっとずっと 兄様に 憧れていた・・・・
その強さに その気高さに
ずっとずっと 認めていただきたかった
せめて 私を見て欲しかった 兄様
その兄様が 今 霊圧も弱く
倒れていく 私なんかを庇って
兄様まで 失いたくない
これ以上 奪われたくは ない
私などの為に 兄様まで 殺されるような事が
あってはならない
私は 兄様の頭を 身体を 庇って
2戟目に備えた・・・・・
Feb.10/2008 - Mar.29/2008
『やる気の元』でした。 ありがとうございました!
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