空座高祭・おまけ
ルキアを胸に抱えたまま、教室に戻る。
途中いろいろな視線や冷やかしの声があったが 丸無視した。
今までの激しくヤキモキさせられたの心中に比べたら、照れ臭くさも
それほど不快じゃなかったし、むしろはっきりさせた事でさっぱり
した気分。
何を言っても放さない俺に 抗議や抵抗を諦めたルキアは もう完全に
照れて、俺のスーツの襟を掴んで顔を胸に埋めている。
俺的にはそのほうが密着度が高いし、照れられた方がこっちも
恥ずかしいンだけどな・・・・ って心中は穏やかじゃなかったけれど
それ以上に俺自身がルキアを抱き上げたまま、下ろしたくなかったの
だから仕方が無い。
それによく考えれば、こんなしおらしい、可愛らしいルキアなんて
そうそう見る事なんてできないと思えば、悪くない。
そんな俺達が教室に戻ると大騒ぎになった。
「大丈夫だった?」
「朽木さん、黒崎君。 無事でよかったよぉvvvvvv」
井上が たつきが駆け寄ってきた。
「心配かけたようだな。 すまぬ、井上、有沢。」
「無事奪還してきたな、黒崎。
ふん、朽木さんと君のことだから 僕はそんなに心配しちゃ
いなかったがね。」
「んで・・・ 君塚ってヤツはどうしたの?」
「ーーさあな・・・・ーー」
俺は惚けた。
ルキアが無事だった以上 ヤツにもう興味は無い。
それにあれだけ痛めつけておけば、もう絡んではこないだろう。
ヤツには分からない霊圧も重くかけたから 精神的にも大分キテる筈だ。
「それより一護ぉ〜、随分早く見つけたよね〜〜。
どうしてこんなに早くルキアちゃんの居場所がわかったんだぁ?」
「・・・・・え、あ・」
「啓吾、 GPSだよ。
朽木さんみたいなお嬢様は、誘拐を警戒してGPSを装着されてるんじゃ
ないかな? 違う?」
水色のナイスな案に乗る事にした。
「・・・・まぁ そんなところ。」
俺達の会話にルキアが不思議そうな顔をしていたが、今は説明なんか
できねぇよ。
ルキアが余計な事を言い出す前に手を引いて話しの輪から連れ出す。
「ーーんじゃ、行くぞ。」
「・・・一護?!」
「たこ焼き食って、ラムネ飲んで・・・ リンゴ飴もとかって
ーーお前愉しみにしてただろ?」
「おお、そうであった!! 一護、行くぞ!」
思い出した途端に俺の手を引いて先に歩き出す現金なルキアに呆れながら
繋いだ小さな手が しっかり俺の手の中にあるルキアの手が嬉しくて、
どうしようもなく愛しかった・・・・。
あとがき