『やる気の元』ありがとうございました。

 告 白
 

総隊長に書類をお届けしたその帰り道 久しぶりに恋次に遭えた  なんだろう この矛盾した気持ち ずっと会いたくて遭いたくてやっと遭えたというのに 顔を見れただけですごく嬉しかったのに  胸の鼓動が 呼吸が苦しくて今すぐに逃げ出したい そんな矛盾した気持ちで落ち着かない自分の顔を見られるのは恥ずかしくて いつもと変わらないように 不自然な自分にならないようにしてるのが精一杯 今 瞳を合わせたら きっとどうしようもなくオロオロしてる みっともない自分が 『死神』らしくないのが バレてしまうのではないか 頑張って平静を装おうと俯き加減で居たら 急に手が伸びてきて鼻を抓まれた 「いたっ!」 「てめぇ、何 馬鹿やってんだって?」 「急に何をする?   しかも馬鹿やってるとは何だ?!   貴様じゃぁあるまいし!!  その様なもの頼まれてもせぬわ!」 矢継ぎ早に文句を言って、ぷりぷりと頬を張って 唇を尖らせてヤツより早足で歩き出す 急に触れてくるな、馬鹿!! 鼻先だけじゃない、自分の顔が 耳まで熱い・・・・ きっと赤くなってる 怒っているからじゃない ーーそんな自分を知られたくて先を歩く 何故だろう?   これは自分の身体なのに 自分の気持ちなのに 制御する事が出来ないなんて 年端もいかぬ子供なら分かる もういい加減大人になって久しい今さら 何でこんなに自分の事を上手く扱えないのだ? オカシイだろう?! 「ルキア、おい!  待てよ。」 誰が待つものか!?    顔の火照りがとれるまで 貴様こそ待つが良い! 「なぁ、鼻を抓んだのは悪かったって・・・・。  けどよぉ、せっかく久しぶりに会えたんだ。  少しは俺にも顔を見せてくれよ、ルキア。  会えてもずっとてめぇの黒髪しか見えないんじゃ寂しいじゃねぇか?」 そんなセリフに思わず足が止まる 馬鹿、恋次!!   貴様、真正面から何の衒いもなくいきなり真剣で突っ込んでくるな! わ、私はまだなんの準備も・・・・  構えさえ取れていなかったのだぞ それでは心臓を一突きにされて 負けてしまう・・・・ だいたいそんなことを言われては余計に顔など向けられるものか!! じっと動かなくなった私を恋次がそっと後ろから抱き締めてきた。 私は感情に翻弄される自分を見られることに堪えきれずに 振り返り抱きついて顔をヤツの胸に埋めて隠した 「馬鹿恋次・・・・」 「・・・はっ・・・馬鹿はてめぇだろ、ルキア・・・・」 いつもと同じ悪口の応酬なのに声が優しく聞こえるのは私がオカシイ所為だろう そんな私の髪をいつものように撫で付けてくる大きな温かい手 いつも安心をくれる懐かしい香りと心臓の鼓動のする胸の内 もう大丈夫、落ち着けた この腕と胸の内にあればすごく幸せな気分になれる ゆっくりと顔を上げて、恋次の瞳を捕らえて今なら微笑いながら言える 「・・・・大好きvvvvv」 見下ろしていた恋次の顔が・・・ 瞳が大きく見開かれて 一瞬で髪と変わらぬほど赤くなった 途端に強く抱き締められて顔をまた胸に押し付けられてしまった 「・・・・ちきしょ・・・ 反則だ、それ・・・・・」 恋次が苦しそうに小さく呟いたのが聞こえて  何だ、それは?!って思ったけれど  恋次の胸の鼓動がすごく早いのも聞こえて・・・・  恋次も私と同じ気持ちなのだ・・・・・  って思ったらやっぱり幸せで胸が一杯になった ーー違いすぎる私達の同じ幸せーー


  あとがき ここまでのお付き合いありがとうございましたvvvv TOP