朽木兄妹 2 清家から伝令神機に「白哉兄様が現世に来られる♪」という連絡を受けて私は喜びのあまり、 浮かれ、興奮していた。 とっても嬉しかったので一護にも喜んでもらおうと勢い込んで報告に行ったのだがーー 素っ気ない 嫌そうな一護の兄様への無礼な態度に怒って 思わず、腹に乗って胸倉を掴んで引き起こして兄様への無礼を咎めた 一緒に喜んで欲しかったーー 兄様の来訪の一緒に喜んで欲しかったのだ、私は! 気持ちを理解してもらえなくて、寂しくて怒りをぶつけてしまった それなのに・・・・ 身動きを許さぬほど強く抱き締められて、 続く抗議の言葉を唇で塞がれてしまった そんな一護のいつにない 乱暴ともいえる突然の行動に戸惑った・・・・ こんな風に唐突な行動をする一護にどうしていいかわからなくなるーー 口付けるのは想い合うーー恋人同士が想いを伝え合うための行為ーー 私だってそれくらいは理解している 一護の私への想いが並々ならぬほど強い事も知っている 私自身の一護への想いもーー 今まで出会った誰よりも一番大事で一緒にいたい 幸せを誰よりも願い、笑っている顔をいつまでも身近で見ていたい なのにーーたまに愛しさで胸が潰れ、呼吸するのも苦しいほど想いが溢れる そんな・・・どうしていいかわからないほど・・・・誰よりも一護が好きなのに・・・ そう、わかってるーー 理解(わか)っているのだ! そんな狂おしい感情以上に自分たちの立場の違いを理解しているのだ、私は・・・・・ 私は現世で一度死した尸魂界に籍を置く死神で 一護は現在(いま)という時を生きる現生の人間なのだ しかも私の十分の一の時しか生きていない 世の理(ことわり)を十分に理解していない少年なのだーー ゆっくりと深くなる口吻に絡められた舌に一護の熱情が 疑いようのない私への愛が深く伝わる 呼吸もままならないほど深く荒々しいほどに口吻を求められて 狂おしいほどの一護の気持ちが伝わる そうして・・・ 私は理性を 理(ことわり)や立場を忘れ、 求めらるままに求め合い・・・・ 一護の愛を享受するーー誰よりも愛しいと 今までのようにーー押し黙ったまま いつかはっきりさせなければ・・・・と思いながら 次第に強くはっきりと表わす想いに応えない私の態度に焦れる一護に気付かない振りをして もし、この想いに応えてしまったなら 引き返せなくなるーー と引き際を考えて感情の暴走を必死で抑えている自分の卑怯さを嫌悪しながら 一護の傍を離れがたいと 愛しいと想う己の感情に負けてしまいそうになる弱さから 一護の愛情の深さと強さに縋っているのだ そのくせ、求められる想いの強さが恐くて・・・ でも、愛しくて 愛しくて いつか離れなければならないなら・・・・ いっそ、この腕の中でこのまま息が止まってしまえばいいとさえ思う 知らず零れた涙にーー 一護が気付いて 口付けが解かれた 泣きじゃくるように呼吸する私を胸に押しつけるように一護が優しく抱き締める。 「悪りぃ・・・」 苦しそうに告げる一護に 「・・・・すま・・ない・・・」 一護の腕の中の心地よさが愛しくて・・・ 失いたくなくて・・・・・ 謝罪しか告げないまま涙を止められない私はどこまでも狡い・・・・
ここまでのお付き合いありがとうございました。 もしかしたら・・・・ ご期待に添えるお話ではなかったかもしれません。 すみません。 一応このサイトでのされるがままのルキアの 一護へのスタンスを書いてみたかったのです。 ある意味、一ルキならでは王道ともいえる障害に触れてみました。 障害があって 少し切ないほうが好きなんです。 お話部屋よりは大人ルキアです。 だからといって、一護が子供とは限りませんってか 子供じゃないんですよ!! 完結編はいづれ・・・・。 まだこの距離感を楽しみたい ってのもありますが、”あっさりした解決編”しか今のところ案が無いので、むしろそれでは話としてつまらな過ぎるでしょう・・・・。 劇的ないい案が浮かぶ事とまたノリノリで書ける事があるように祈りつつ、一ルキ部屋も続けていくつもりです。 ではでは・・・ また広い心でお付き合い頂ければ、嬉しいです。 月城はるか AM7:00 7月 5日 2010